EQUALペダル Fittingトーク with MAGNET 柴山大輔さん

はじめに
皆様は、グロータックから発売しておりますEQUAL 多調整型ROADペダル(以降、EQUALペダル)をご存じでしょうか。EQUALペダルはQファクターやカント角、スタックハイトなど、様々な調整機構を搭載したビンディングペダルです。これらの調整機構を利用して、関節の痛みが出にくくなるようにしたり、自分にとってベストなポジションを追求したり、ビンディングペダルをより多くの方に楽しんでいただけるような製品となっております。
しかし、EQUALペダルにご興味をお持ちであったり、導入を検討されていたりしても、
「機能が多すぎて、結局どんな使い方をすれば良いのかわからない」
「自分に使いこなせるか不安」
「膝の痛みとかあるんだけど、本当に解決できるの?」
と、このような考えから二の足を踏まれている方が少なからずいらっしゃるかと思います。
そこで、EQUALペダルについての理解が深まり、また上手に使いこなせるようになるコンテンツを作成しました。EQUALペダルに興味を持ったり、お手に取っていただけるきっかけになれば幸いです。
今回は神奈川県川崎市のバイクショップ、MAGNETの柴山大輔さんに予めEQUALペダルを使っていただき、ポジションに関する考え方や、EQUALペダルをどのように使われたのか等、広くお話を伺いました。
※ 本稿における内容は、あくまでも一人の使用者による感想です。
Product Page
Consept and Data
◆ ◆ ◆
MAGNETのお店について
MAGNETとは
――MAGNETのお店を立ち上げたきっかけを教えてください。
柴山大輔さん(以下、柴山):以前の勤め先であるCYCLE CUBE時代から取り扱っていたウエアブランド、PAS NORMAL STUDIOS※の取り扱いに特化した実店舗を代表の御器谷※の元で造りたいなと。なおかつ私はメカニックなので、そこにメカニックサービスもご提供する形で立ち上げました。
※ デンマーク発の高品質サイクルウェアブランド。
※ MAGNET代表、柴山さんと共に同店を開業された。
――貴店はPas Normal Studiosの国内代理店という事で、来店されるお客様はやはり同ブランドのウェアを買いに来たり、一度自分の目で確かめたい、という方が多そうですね。
柴山:はい、そういった方がメインなのと、以前から繋がりのあるのお客様や、最近ですと近所にお住いの方などの新規のお客様にも来ていただいております。
――単にブランドの旗艦店としてだけでなく、地域のサイクルショップとして以前からお付き合いのあるお客様のフォローもされているんですね。ところで、「MAGNET」という店舗名の由来についてお聞かせ願います。
柴山:その名の通り「磁石」のように、人と人が繋がり合ったり、新しい情報や物を引き寄せせるような、、そんなイメージで名前を付けました。
販売以外の活動について
――店舗での販売以外に、何か活動をされていますか。
柴山:はい、月に1回は必ずライドをやるようにしてます。
――そのライドは、お店で商品を買ったお客様だけのプライベートなライドですか。
柴山:いいえ、広く募集しているというか、どなたでも参加できますよ。
――そこで新しいお客様とのお付き合いが生まれそうで良いですね。コースはやはり多摩川サイクリングコースが多いのでしょうか。
柴山:多摩川のサイクリングコースを経由して、どこかへ行くっていうパターンが多いですね。宮ケ瀬方面だったり、高尾方面だったり、横浜方面だったり。多摩川沿いは人が多くて危ないので、あくまでも移動するための道として気を付けて走ってます。
――確かに多摩川は利用者が多いですから、走行には注意が必要ですね。ところで、お店の今後の展望があればお聞かせください。
柴山:グロータックさんのPOP UPイベント※をさせていただいたように、お客様の興味を引き付けるイベントを常にやっていきたいと考えています。
――弊社のPOP UPイベントはとても好評でしたね。是非ともまたやりましょう!
※ 2025年3月15日(土)~3月30日(日)の期間に開かれた弊社製品のポップアップストアを開いた。期間中は商品に関する展示や試乗車が置かれ、商品の特別価格での販売の他、トークショーも行われた。

ポジション関連
フィッティングについて
――柴山さんは普段、お客様のポジション調整をされていますか。
柴山:相談を受ける事はあるんですけど、やっぱり身体の専門的なところまで踏み込めないので。ただ、改善の糸口が足元のペダルとかクリートにあるっぽいなと思った場合は、それこそ以前から販売されているクリートスペーサーをご提案させていただいてましたね。
――一般のお客様がお店でフィッティングを受ける事はできますか。
柴山:フィッティングは基本的に「できない」に近いですね。ローラー台とかもお店にないので。パッと外から大体を見させていただいたり、じっくりお話を伺って、簡単なご提案という程度にしかならないと思います。
――簡単なご提案ということであれば、お店で何度かお買い物をしたり、月例のライドに参加して柴山さんと関係が築けていれば、明らかなポジションのズレに関して指摘していただけるかもしれませんね。ところで、柴山さんは以前からクリートスペーサーを使ってカントの調整をされていたそうですが、具体的にはどのような効果を狙って使っていたのでしょうか。
柴山:自分の場合には膝が外側に開く傾向にあったので、だから少しカントを付けて内側に膝が入るようにっていう形で使ってましたね。
――O脚だったり、内転筋が弱まって脚が開くような形になりますが、柴山さんもそのような傾向があったのでしょうか。
柴山:そこまでではないですが、少しアンクリング※を矯正するような形で使ってました。膝が綺麗に真下に落ちないような感じがあったので、それを矯正するような。
※ ペダリング時に踵が下がっている状態。ペダルに力が伝わりにくく、一般的に望ましくないフォームであると言われている。

ポジションに関する考え方
――ポジション調整を行う時に意識している事や、こだわっているポイントはありますか。
柴山:最終的には身体が悲鳴を上げない程度のポジションを取る様にしてます。パワーメーターを見て、パワーが出るポジションと快適さは違うと思うので、その辺の間を取るようなポジションですよね。
――短時間ならパワーが出せても、長時間乗ると痛みが出るようなポジションは、怪我のリスクも高まりますからね。
柴山:やっぱりバランスを見て、ですよね。正直ポジションについては最近、相応の方がたくさんいらっしゃるんで、そういう方にお任せした方がいいかもしれません。あとはユーザーさんが誰を選ぶかが重要かなって思います。

EQUALペダルを使った印象について
悩みがなければ、そのまま使う
――柴山さんはEQUALペダルを使われる以前、ペダルの悩みは特に無かったとの事ですが。
柴山:そうですね。乗り方もあまり激しくはないので。
――特にペダリング中に痛みが出るなどの悩みが無ければ、EQUAL ペダルの調整機構を純粋に楽しむことができたのではないかと思います!その調整機構についてですが、カント角やスタックハイトの調整は市販のクリートスペーサーでもできますが、それらと比較してEQUALペダルを使った場合、どういったメリットがありますか。
柴山:EQUALペダルを使う方が調整具合が具体的にわかりやすく、ヘタりも少なくと思います。
――確かに、使っていけば潰れて変形したり、割れたりすることもありそうですね。
柴山:あとは、再現性も高いですよね。
――そうですね。例えばQファクターの変更を試したい場合、通常のペダルであればクリートがズレないように左右にずらす必要がありますけど、EQUALペダルであれば本体の調整で正確に変更ができます。因みに、カント角やQファクターなどの調整をされた際は、その違いにすぐ気づけましたか。
柴山:はい、普段から自転車に乗られている方ならすぐに気付けると思いますよ。カント角にしても、スタックハイトにしても、Qファクターにしても。特にQファクターはすぐにわかります。あと極端にポジションを振れるので、例えば左右で違う風にしてみたり、前後方向に伸ばしたり縮めたりしても簡単に比較できるんで、そうい意味でも試しやすいかなと。面白味がありますね。
――多くの調整要素が一度に試せるから、他のペダルにはない楽しさがありますよね。また通常のクリートだけの調整だと、どうしても左右でズレちゃったりして、その微妙なズレが違和感や痛みに繋がるなどのストレスにならないのも魅力かも知れません。
柴山:あと、どうしても数値で正解を出しにくい部分なので。クリートをずらさなくても色んなポジションが体験できるし、元の状態を記録しておけばセッティングも戻しやすいですし。そういったところは良いところだと思います。
――EQUALペダルのセッティングは最終的にどのような形になりましたか。
柴山:意外に普通(初期設定の状態)で十分でした(笑)。そこが一番慣れている所に近かったので。
――現状で特に悩みが無いという方であれば、敢えてポジションを変更する必要はないですからね。その場合においても、調整機構を弄る事で様々な気づきを得る事が出来たのではないかと思います。因みに、EQUALペダルの取り扱いで苦労したところはありますか。
柴山:外で調整作業はやらない方がいいですね。部品が小さいんで無くしちゃいそうですから、室内で作業された方がいいかなと思います。
――確かに丸ナットは転がって行きやすい形状なので、弊社としてもなるべくご自宅で作業されるのがお勧めです。さて、貴店でEQUALペダルの販売するにあたり、課題であると感じる部分はございますか。
柴山:調整幅が多岐にわたるため初めての方には難しく、躊躇するお客様はいるのではないかと思います。普段からシマノクリートをご使用でご自身で調整できる方には数日間のお貸出しも可能です。
――確かに調整要素が多いので、戸惑う方は多いかもしれませんね。弊社としては、そういった方が気軽にEQUALペダルを試せたり、安心してご購入いただけるよう、EQUALペダルをレンタル可能な店舗を全国へ拡大中です。
補足
上記のほか、柴山さんにはEQUALペダルについて、以下のように評価していただいています。
「それまで使っていた他社のペダルよりもクリート保持面積や踏み面が広く、ペダリングの感覚がしっかりと伝わってくる」
「ペダルシャフトは剛性があり、ガタもない」
「全ての部品を交換する事ができ、補修部品も充実しているため長い間使う事ができる」
このことから、ビンディングペダル単体としての性能の高さや耐久性・メンテナンス性の良さは、長く使う機材として重要なポイントではないかと考えています。
また、調整機構を動かさなかったとしても「必要ない」と断言するのではなく、敢えて様々な調整をテストする事で、柴山さんのような気づきを得られるきっかけになるかも知れません。
グロータックについて
――EQUALペダルとは関係ありませんが、今後のグロータックに期待する事はございますか?
柴山:ディレイラーですかね。レバーも出たし、最近コンポーネントで攻めらっしゃるから、出しちゃった方が後々楽になるんじゃないですかね(笑)
――ディレイラーは弊社としても是非作りたいと思っておりますので、是非ともご期待ください。ありがとうございました。

MAGNET
神奈川県川崎市中原区上平間にあるサイクルショップ。2022年2月26日にオープン。Pas Normal Studiosの日本国内代理店であるほか、店内のメカニックスペースで洗車・定期メンテナンス・組み立て・オーバーホール・パーツ交換など、スポーツバイクに関する幅広いサービスを提供している。ポップアップ展示やライドイベントも定期的に開催。
住所:神奈川県川崎市中原区上平間377‑20
営業時間:平日11:00~18:00、土日祝10:00~17:00
定休日:火曜・水曜
TEL:044-589-4808
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