fbpx

ロードバイクのディスクブレーキについて知ろう!

ロードバイクのディスクブレーキについて知ろう!

近年、大手メーカー主導により、ロードバイクにも多くディスクブレーキが採用されるようになりました。
一方、ロードバイクにはリムブレーキで十分という話もあります。

そこで、ディスクブレーキについての理解を深めてみましょう!
ディスクブレーキへ乗り換えを検討されている方は、是非参考にしてください。
既にディスクブレーキに乗っている方も、自分の自転車への認識が変わるかもしれませんので、本記事をお読みいただければ幸いです。


ディスクブレーキのメリットについて知ろう

まずは、リムブレーキに比べて、ディスクブレーキのメリットについて考えてみましょう。

ブレーキシステムに必要な要素は「思いのままにコントロールできること」

良いブレーキシステムとは、「良く効く」だけではなく「思いのままにコントロール」出来ることが重要です。いつ、どんな条件でも、自分が思った通りに減速し、止まりたい位置で止まれる。これが良いブレーキシステムの要素とグロータックは考えます。

例えば、水に濡れていないと、ブレーキの効きはそれなりだが、水に濡れるとすごい効きが良くなるという、従来とは逆のブレーキがあったとしても、それが使いやすいブレーキシステムにはなりません。

天候が良くても悪くても、路面が良くても悪くても「いつもと同じ、思いのままにコントロールが出来る」ということです。

必要なのは、思いのままにブレーキをコントロール出来ること

ディスクブレーキは「ブレーキの再現性」が高い

そもそもですが、リムブレーキが悪いということはありません。

最大ブレーキ力、いわゆるグリップ力はタイヤの性能に依存します。
ロードバイクタイヤのグリップ力では、リムブレーキでもホイールをロックさせてしまうことが可能です。そのため、リムブレーキでも十分に性能が足りていると考えられる面もあります。よって、今リムブレーキに満足されている方は、ディスクブレーキに変えるメリットはあまりないかもしれません。
(新しいリムブレーキのフレームが供給されない問題はありますが……)

しかし、リムブレーキには一つ欠点があります。
それは、様々な条件下によってブレーキの感覚が大きく変わってしまう点です。
逆にディスクブレーキは、様々な条件下でも「ブレーキの再現性」が高いです。

ではなぜディスクブレーキは「ブレーキの再現性」が高いのでしょうか。

▼雨等の悪条件に強い

ディスクブレーキは、リムブレーキに比べて雨等の悪条件に強いです。
それは、ディスクブレーキの方が「ブレーキ面に加える力が強い」からです。

リムブレーキは、その名の通りブレーキ面がホイールの外周部のリムです。接地面であるタイヤに近い部分でブレーキを掛けるため、最小限の力で制動力を発揮することが出来ます。

一方、ディスクブレーキは、ブレーキ面がホイールの内周部であるローターです。タイヤから遠い部分でブレーキを掛ける必要があるため、ブレーキ面に加える力が強い必要があります。

そのため、例えばブレーキ面に水が付いた場合でも、ブレーキ面に加える力がディスクブレーキの方が強力のため、水を押し出す力が強くなり、影響を受け難くなります。

さらに、ブレーキ面が地面に近いと水等の異物が入りやすくなるため、リムブレーキは環境に影響されやすく、ディスクブレーキは影響され難い傾向にあります。

これらがディスクブレーキの方が「悪条件」に強い理由です。

悪条件に強いということは、「ブレーキの再現性」が高いということになります。

【ブレーキの効きについて】
「ブレーキレバーを握る力は同じなのに、ディスクブレーキの方が加える力が強い必要があるということは、ディスクブレーキの方が効かないってことでは?」そんな疑問を抱かれたかもしれません。
リムブレーキもディスクブレーキも、ブレーキレバーを握る力をテコの原理やパスカルの原理によって、ブレーキ面に加える力を変換して調整しています。ディスクブレーキの方が変換を強く調整しているので、必要なブレーキの効きを実現しています。
そのため、ブレーキの効きは、ブレーキシステムの設計次第とも言えます。

▼機材を統一しやすい

ディスクブレーキは、リムブレーキに比べてブレーキに影響する機材が統一しやすいです。

リムブレーキは、ブレーキ面がアルミやカーボンといった素材に違いがあります。また、素材だけでなく表面処理等も各リムによって変わるため、選択するホイールによってブレーキの感覚が大きく変わる可能性があります。また、ブレーキシューも専用のものを使用しなければならない場合があります。

一方、ディスクブレーキは、ホイールを変えてもローターとブレーキパッドを統一がしやすいです。そのためホイールによるブレーキの感覚の違いが少なくなり、「ブレーキの再現性」が高くなります。

ディスクブレーキはホイールは変わっても、ローター・ブレーキパッドの統一がしやすい。
また、用途や必要に応じてローター・ブレーキパッドを自由に選択することも出来ます。

【ディスクブレーキはクリアランスがシビア】
一方、ディスクブレーキはリムブレーキに比べて、ブレーキ部分のクリアランスがかなりシビアです。ちょっとした精度の違いでもブレーキパッドとローターが擦ってしまう場合があります。そのため、機材を交換するごとに都度調整が必要になる可能性が高い点は、ディスクブレーキのデメリットの1つです。

「ブレーキの再現性」が高いことによるメリット

ディスクブレーキの方が「ブレーキの再現性」が高いことがわかりました。では、「ブレーキの再現性」が高いことにはどういったメリットがあるのでしょうか。

「ブレーキの再現性」が高いことによるメリットは、乗り手の技術的な負担を軽減できることにあります。
天候、路面の状態、勾配、機材等の様々な条件によってブレーキングの質は大きく変わります。その条件の幅が広ければ広いほど、必要なブレーキングの技術は増えていきます。その条件の幅がリムブレーキは広くなる傾向にあり、ディスクブレーキは狭くなる傾向にあるため、ディスクブレーキのほうが乗り手の技術的な負担が軽くなります。

そのため、様々な条件で「思いのままにコントロール」しやすいのが、ディスクブレーキと言えるでしょう。

ブレーキングは自転車に乗る技術の中でも重要なものの1つです。乗り手の能力によって大きく左右される技術のため、様々な条件でも似たブレーキングを再現できるディスクブレーキは、初心者に向いているブレーキといえます。また、上級者にとっても、ブレーキングに多くの意識を割く必要がなく、他の事象に意識を多く割けるようになるため、結果的にはメリットも多いとも言えます。

逆に言えば、晴れの日しか走らず、いつも同じ機材を使用するという方であれば、リムブレーキでも変わらずコントロールしやすいため、ディスクブレーキのメリットは少ないと言えるでしょう。

ディスクブレーキは悪条件でもコントロールしやすい

【メンテナンスは怠らない】
本内容については、バイク自体がメンテナンスがされた状態が前提です。メンテナンスがされていなければ、バイクの使用感はどんどん変わってきます。リムブレーキでもディスクブレーキでも、スポーツバイクは定期的にメンテナンスをして、常に「再現性の高い」状態を保ちましょう。


油圧ディスクブレーキと機械式(メカニカル)ディスクブレーキの違いについて知ろう

現在は「スポーツバイクのディスクブレーキ≒油圧ディスク」というイメージの方が多いと思います。機械式(メカニカル)ディスクブレーキは、効かない・重いといった印象をお持ちではないでしょうか。

しかし、油圧ディスクブレーキと機械式ディスクブレーキは明確に使い分けられる違いがあります。その違いについて知ったうえで、最適なブレーキを選択しましょう。

油圧ディスクブレーキと機械式ディスクブレーキのメリット・デメリット

▼伝達効率の違い

伝達効率とは、ブレーキレバーを握る力を、どれだけロスなくブレーキ面へと伝えるかのことです。ブレーキの効きにはこの伝達効率の影響が大きいです。

油圧ディスクブレーキの一番のメリットは構造上「伝達効率が良い」ということです。
力を伝える部分が油のため、摺動抵抗(擦れに発生する抵抗)がなく、また変形に強いブレーキホースも合わさり、力のロスが少ないことが大きな特徴です。

対して、従来の機械式ディスクブレーキのデメリットになるのが、従来品の「伝達効率の悪さ」です。
ディスクブレーキは前述の通り、リムブレーキよりもブレーキ面に加える力が強いため、反力も強くなり、アウターケーシングやキャリパーに対する負荷が大きくなります。そのため、リムブレーキでは問題のなかったものでも、各部品の剛性不足の影響が大きく出て、ブレーキの効きが悪くなります。
また、剛性がないため、フィーリングも曖昧なタッチとなり、コントロール性が悪くなります。

▼運用のしやすさの違い

油圧ディスクブレーキのデメリットは、扱いが繊細なところです。
取付時に完璧にエア抜きが出来ていないと、エア噛みが発生する可能性があり、ブレーキが効かなくなる可能性があります。
また、トラブルがあった場合には、メンテナンスに専用の工具を用意する必要があり、気軽にメンテナンス出来ないという面があります。
メリットでもあるブレーキパッドのクリアランスの自動調整は、ホイールを外した時にレバーを握ってしまうと、ピストンが出てしまい、ホイールが入らなくなってしまう場合があります。

一方、機械式ディスクのブレーキ一番のメリットは、リムブレーキとほとんど変わらないメンテナンス性にあります。六角レンチ等の汎用品でメンテナンスが出来ることに加えて、エア噛みやブレーキパッドの擦れ等のすぐに改善が難しいトラブルが起きません。レースや輪行等、出先でトラブルがあった際でも対応しやすく、安心して使用出来るのが特徴です。
ただし、ブレーキパッドの調整は油圧のように自動でされないため、こまめな調整が必要となります。

油圧ディスクのメンテナンスには専用の工具が必要

画像引用:https://www.hozan.co.jp/corp/g/g17829/

まとめ

油圧ディスクブレーキは、日ごろから信頼におけるプロショップに見てもらえば、トラブルが防げるものが多いものの、いざトラブルとなると困難が伴います。
一方、機械式ディスクブレーキに関しては、リムブレーキのメンテナンス知識があれば、自分で何とかなることが多く、トラブル解決が容易です。

ただし、ブレーキシステムにとって重要なのは「思いのままにコントロールできること」です。そのため、機械式ディスクブレーキに多くのメリットがあったとしても、止まる等のブレーキとしての性能がそもそも低い傾向にあるため、「思いのままにコントロールできること」としては、油圧ディスクブレーキに軍配が上がります。


機械式ディスクのもう一つのメリット

現在、リムブレーキのロードバイクを使用している方には、機械式ディスクブレーキを選択するメリットがあります。それは、今まで使用しているコンポーネントの多くをそのまま利用できることです。

油圧ディスクに乗り換える場合、現行のコンポーネントに互換性のない製品を使用している方は、多くのコンポーネントを買い替えないといけません。
現行のコンポーネントに互換性のある製品を使用している方でも、油圧ディスクで機械式変速レバーは、従来品に比べてブラケットが大きく重いものになり、操作感が大きく変わってしまう場合があります。
また、電動変速レバーの場合は、ブラケットの大きさは従来品に比べて大きな差はなくなりますが、電動に対応するためにディレイラーも買い替える必要が出てくるため、費用が跳ね上がります。

そこで、機械式ディスクであれば、コンポーネントはブレーキ部分を変更するだけで、ディスクフレームへ載せ替えが可能です。(ホイールは別途ディスク対応が必要です)

なるべく費用を抑えたい、使い慣れた機材を使いたい。そんな方がディスクフレームに乗り換える場合は、機械式ディスクブレーキが選択肢に入ってくると思います。

「でも、機械式ディスクブレーキはブレーキが効かないんでしょ?」
そう思われた方、要はブレーキ効く機械式ディスクブレーキがあれば問題ありません。


EQUAL 機械式ディスクブレーキ

※ここから先は自社製品の紹介になります。

「EQUAL 機械式ディスクブレーキセット」は、機械式ディスクブレーキのメリットと、油圧の効きと軽さを併せ持ち、また、今までに無い機能を付加した、次世代型の機械式ディスクブレーキです。

「EQUAL 機械式ディスクブレーキセット」製品ページ

ブレーキシステムのトータル設計

グロータックは、機械式ディスクブレーキをトータルで設計し直しました。

ブレーキキャリパーは、高剛性と軽さを両立するために⾼強度の超ジュラルミンを使⽤し、キャリパーのほぼ全ての部品を⾼精度に削り出しました。
また、アウターケーシングは圧縮に強いハードアウターケーシングを採用し、従来のコイルタイプに比べ、約200%の伝達効率を実現
さらには、ブレーキバッドはVesrah社と共同開発品である、レジン系のセラミックセミメタル(EVO RESIN)摩擦材、アルミバックプレートを採用したパッドで、高制動力と高耐久性を兼ね揃えています。
また、従来の機械式ディスクブレーキは引きが重いという欠点もありました。そこで、ブレーキキャリパーのリターンスプリングの最適化を図ることに加え、付属のインナーケーブルにNISSEN社製のスリックステンレスケーブルを採用することで引きの軽さを実現しました。

そして、ブレーキラインにもこだわりました。最適なブレーキラインは、摺動抵抗が少なくなるため、ブレーキの引きが軽く、伝達効率も向上します。さらに、取り付けも容易になり、見た目もスッキリします。

このように、機械式ディスクブレーキをトータルで見直したことによって、油圧ディスクにも引けを取らない制動力と引きの軽さを実現することに成功しました。機械式ディスクの制動力に不安があった方にも、快適にご利用頂くことが可能です。

ブレーキフィーリング調整システム

ブレーキを「思いのままにコントロール」するため、世界初のブレーキフィーリング調整システムを搭載しました。体重や好みに合わせたブレーキフィーリングの調整が可能です。コントロール性を重視したり、初期制動力を強めたりと、自分の感覚に合ったブレーキに調整することが出来ます。また、パッドクリアランスは左右独立した無段階調整が出来るため、引き代の微調整も可能です。

世界最軽量級キャリパー

さらに、機械式ディスクブレーキキャリパーとしては、世界最軽量級の136g(ブレーキパッド含)。ケーブル等を含めたブレーキシステム全体でも、ハイグレードの油圧式ブレーキシステムと同程度を実現。重さが気になるシリアスレーサーやヒルクライマーにもおすすめです。


「EQUAL 機械式ディスクブレーキ」は、機械式ならではのメンテナンスの安心感はそのままに、従来の機械式のネックとなっていた「制動力」「軽さ」も世界最高クラスです。

ロードレースやシクロクロス、グラベルでのシビアなブレーキングにも。輪行やロングライドでのトラブル対応にも。様々なシーンで使いやすい製品です。

「油圧のメンテナンスには不安はあるけど、機械式のブレーキの効きも不安」と思われている方に、是非おすすめ出来る製品です。

全国のGROWTAC取扱販売店、もしくはGROWTAC OFFICIAL WEBSHOPにて購入可能ですので、是非ご検討ください。


holiday holiday

特集・連載カテゴリの最新記事