The Birth of EQUAL Control Lever



The Story Behind the Limitless Control Lever

In an era of hydraulic brakes and electronic shifting, GROWTAC's EQUAL control lever stands out by embracing the classic mechanical systems for both braking and shifting. Its key feature is the friction-based design, which allows it to work with any number of gears, any derailleur, and any sprocket combination—making it truly versatile. Development began around 2017, but the product wasn't released until 2024. Why did it take so long? And why a friction-based system in this day and age? We asked GROWTAC's CEO, Mr. Kimura, to share the story behind the development of the EQUAL control lever.

Promises, Promises…

So now that the EQUAL control lever is finally out in the world, what was the concept behind it in the first place?

Kimura:"We wanted to create a control lever that breaks down the barriers of manufacturer, grade, and generation." That was the concept and the starting point for developing the product.

So it works with 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, or 13 speeds, and with derailleurs from Shimano, Campagnolo, SRAM, or Suntour—Sora, Dura-Ace, XTR, or Tourney—right?

Kimura:Exactly. With a mechanical derailleur, you can make almost anything work. There are no restrictions on sprocket combinations either. As long as the capacity and slant angle match, you could even shift a 12-speed cassette with an 8-speed derailleur. The shifting performance will, of course, depend on the combination.
It doesn’t matter whether it’s the front or rear. You could even use the left lever to actuate the rear derailleur.
The lever is fundamentally designed to accommodate two cables on one side, allowing for future expandability.

So this really can do just about anything. It's a product that embodies the EQUAL concept exactly. Its release was delayed repeatedly, and in the end, people were jokingly calling it the "Promises, Promises…" project (laughs). When did development actually start?

Kimura: Development started around 2017. Considering the concept of being able to operate with any number of speeds, it wouldn't work to limit it to "11-speed only" or "only works with 12-speed" like major manufacturers. It had to operate continuously without such restrictions.

So you couldn’t achieve this with the ratchet mechanisms in existing shift levers, right? Those with fixed gear steps just wouldn’t work. You had to completely rethink the structure

Kimura:Exactly. You need to understand that the lever basically doesn’t have any indexing. Initially, we planned to make something much simpler—like an evolved version of a retro shift, with a W-lever attached to the shift lever. However, having a W-lever that doesn’t return after being moved made it very hard to operate. We realized we needed a shift lever that comes back after being used, so we changed direction halfway through, which ended up taking a lot of time before release.

Letting Go of Two Years of Effort

So, tell us about that back-and-forth development story.

Kimura:At the start of development, the structure was completely different from what it is now. Initially, there was a single shift lever, equipped with a thumb lever and a winding lever, which returned to its original position after being operated. To achieve the motion where the lever returns to its initial position after a shift, we originally used a mechanism called reverse input lock.

Prototype 1: Single-lever type
Initial prototype using a metal 3D printer. It had no separate thumb lever; the small lever handled both winding and release, and it incorporated a reverse-input lock mechanism.

Kimura: This (see photo below) is the reverse-input lock mechanism. The center is fixed, and turning the left shaft also rotates the right shaft. However, if you try to turn the right shaft, it locks and cannot move—it's a complex one-way clutch. Attaching the shift lever to the left shaft and connecting the cable to the right shaft blocks force from the derailleur while transmitting force from the lever.

逆入力遮断ユニット
逆入力遮断機構。開発に2年ほどかけたが、結局お蔵入りとなってしまった。

――なるほど。フリクションでディレーラーのバネの力を止めてるわけではなく、メカニカルにロックしているので、軽い力で回せると。

Kimura:その通りです。これは開発に2年ほどかけました。でもバックラッシュ(ガタ)がどうしても取れず、フィーリングがよくなかったんです。シフトレバーを操作する瞬間に、スカッと空走してしまう。機構が複雑で部品が小さく、剛性が出なかったことも問題でした。この機構自体は他社の特許だったので、そのメーカーさんと共同で2年くらい開発を続けてたんですが、結果的には失敗。断腸の想いで採用を見送りました。

――その頃、開発担当の杉山さんはかなり疲弊しておられるようでした。

Kimura:2年も頑張ってくれたのに、僕がダメ出しをしてしまいましたから。彼には苦労をかけました(ゴメンね)。

――開発に2年かけた逆入力遮断機構をボツにする判断を下すのも大変だったのでは?

Kimura:2年かけてやりつくしたので、もっと早く方向転換しとけばよかったです。

フリクションへの原点回帰

――逆入力遮断機構を廃案にし、昔ながらのフリクション方式でいくことにしたわけですね。

Kimura:はい。基本的にはWレバーと同じですが、Wレバーは操作したらその場で止まって戻りません。EQUALコントロールレバーはレバーが元の位置に戻ります。この「元の位置に戻す」がすごく大変なんです。軸の動きのバックラッシュをゼロに近づけないとフィーリングがよくならないことは分かったので、レバーを戻すときのクラッチ開発に苦戦しました。そこで出来たのが今のクラッチ機構です。

今さらながらこれがEQUALコントロールレバーの全景。ブレーキレバーはシマノのようにシフトレバーを兼任せず、ブレーキレバーとしてのみ働く。ブレーキレバーの内側にあるのがレバーAで、巻き取り(リヤディレーラーならシフトダウン、フロントディレーラーならシフトアップ)を行う。
ブラケット内側にあるのがレバーBで、親指で押して操作する。これは解除(リヤディレーラーならシフトアップ、フロントディレーラーならシフトダウン)を担当。操作形態としてはカンパニョーロと同じだ。
そしてこれがEQUALコントロールレバーの中身。前後を貫くように1本の軸があり、それにレバーAとレバーB、ケーブルを巻き取るプーリーなどが付く。この構造を見ると分かるが、レバーBを押し込むときに、レバーAと軸のクラッチが切れていないとレバーBと一緒に動いてしまう。さらに、レバーへの力を抜いた瞬間にクラッチが切れないとレバーが元の位置に戻ってくれない。つまり、レバーを触っていないときはクラッチが切れてレバーと軸が切り離されている必要がある。レバーを触った瞬間に繋がってレバー入力を軸に伝え、離すとまた切れる、という構造でなくてはいけない。
先述の通り、シフトフィーリングをよくするためにはクラッチ機構が噛み合う瞬間のバックラッシュは小さい方が望ましい。そこで、これがEQUALコントロールレバーに採用されたクラッチ機構。左が外輪で、内側は八角形になっている。右が内輪、真ん中にあるのがスイッチリング、その下にバラバラとある小さな円柱が「クラッチローラ」。
それを組み立てるとこうなる。内輪と外輪の間にクラッチローラがいくつも配されており、内輪は軸に固定、外輪はレバーに固定されている。写真から直感的に理解するのは難しいが、シフトレバーに力を加えて動かすと外輪が動き、クラッチローラが内輪と外輪の間に挟まってロックする。両方向に効くワンウェイクラッチと言えばいいか。ちなみに、レバーAとレバーBそれぞれに同じ機構が付いている。

――えっと、レバーを操作すると外輪が動いてクラッチローラが外輪と内輪の隙間に噛みこんでロックされ、その瞬間から外輪と内輪が一緒に回るようになる。レバーから力を抜くところの噛み合いが解除されて、内輪と外輪は別々に動けるようになる。

Kimura:そうです。部品点数を少なく、かつ操作フィーリングをよくするために、このような特殊な機構を杉山君が考え出してくれました。レバーに力を加えていないときはフリー(軸は回転可能)になる。少しでも力を加えたら瞬間的に噛んで止まる」というものでなくてはいけません。しかも両方向に。だから独自クラッチが必要だったんです。ワンウェイクラッチは世の中にたくさんありますが、こういう機構はないでしょうね。

――スイッチリングの役割がよく分からないんですが……。

Kimura:レバーに力を加えた瞬間にロックさせるために、外輪と内輪の間にスイッチリングというパーツを組み込んでいるんです(スイッチリングはレバーに付いている)。レバーを動かした瞬間にスイッチリングが動き、クラッチローラを押して外輪と内輪の隙間に噛みこませます。これによって、レバーに力を加えるときにはもうクラッチローラは噛み込んでロックされているというわけです。これでタイムラグをゼロに近づけました。このスイッチリングも独自開発したものです。外輪もただの八角形ではなく、斜度の角度や形状も修正を繰り返した結果到達した絶妙なものです。

――スイッチリングが最初に動くということは、ガタはあるってことですよね?

Kimura:人間って結構アバウトで、力を加えていない(操作していない)状態でレバーがカタカタ動くのはそれほど違和感がないんですよ。シマノもそうですけど。でも、操作しようとして力を加えた瞬間に空打ちするのは違和感がある。力を入れたときにスカッとなるのはフィーリングが悪い。そういうことはボツになった初号機のクラッチ機構開発で知見が得られました。新しいクラッチ機構が有用であることは分かってたんですが、フィーリング面でどうなるかが不明でした。人間の予備動作を利用してころを斜面に押し付けちゃうというスイッチリングを杉山が考えてくれたおかげで上手くいきました。これはもう杉山くんの功績です。僕のアイディアは2年で撃沈(笑)。

――開発に2年かけたものがボツになったわけですが、無駄ではなかったんですね。

Kimura:そうですね。初代の開発によって、人間のフィーリングと機械の動きの相関関係が分かりました。これくらいのバックラッシュじゃないと許されないか、どれほどの精度感で作ればいいのかというようなノウハウは得られました。あれがあったから今の機構ができたとも言えます。結局、この新型クラッチ機構の開発にも2年くらいかかりました。

奮闘は終わらない

――この新型クラッチ機構が完成してからはスムーズに進んだんですか?

Kimura:それがそうでもなく。人間の指の力って意外と強く、最初はクラッチが滑って空回りしてしまって大変でした。素材、形状、表面硬さ、耐摩耗性、耐久性などに工夫が必要で、最後はグリスまで独自開発になりました。もう苦労の連続ですよ。

――グリスも専用ですか。EQUALコントロールレバーはフリクションで使えることも大きな特徴です。そもそもフリクションとは、カチッカチッというクリック感がある現代のシフトレバー(インデックスタイプ)とは違って、ヌルーッと動くタイプのシフトレバー。ディレーラーにはばねが内蔵されており、このばねで(フロントディレーラーならインナー側に、リヤディレーラーならトップ側に)ケーブルを引っ張っているわけです。このばねの力で勝手にケーブルが引っ張られてしまわないように、摩擦で止めなければいけません。だからフリクションと呼ばれるわけですが、EQUALコントロールレバーにおいてフリクションを生み出しているのは?

Kimura:フリクションは7枚の板を重ねることで生み出してます。軸に繋がっている板と、ハウジングに繋がっている板が重なり合って、スプリングで押し付けて摩擦を生んでいるわけです。この摩擦力は3mmアーレンキーで調整可能です。

――このフリクション調整がEQUALコントロールレバーを楽しく使うためのキモですね。

Kimura:そう。簡単に調整できるようにフリクション機構は軸の先端に入れてあります。実はもう一つ、フリクション機構のところに普通のワンウェイクラッチを組み込んであるんです。というのも、ケーブルを巻き上げるとき(フロントのシフトアップ、リヤのシフトダウン)は摩擦板を擦る必要はありません。巻き上げるときにも摩擦板を擦ると、ディレーラーのばね+フリクションの摩擦になるのでめちゃくちゃ操作が重くなります。ケーブルを送り出すとき(フロントのシフトダウン、リヤのシフトアップ)だけ摩擦板が擦れればいい。だから、ワンウェイクラッチを入れているんです。つまりフリクション機構はずっと同じ方向に回っているわけですね。ケーブルを送り出すときは、ディレーラーのばね+親指の力で、それがフリクションの摩擦力を上回るので回転する。

――なるほど。ということは、フリクション機構とワンウェイクラッチが軸の先端にあって、レバーAとレバーB部にはそれぞれ独自のクラッチがある。このブラケットの中に合計3つのクラッチ機構が入ってるわけですね。思った以上に複雑だ。

Kimura:もう精密機械みたいな構造ですよ。

Kimura:この3つのクラッチとフリクション機構などのメカを狭いブラケット内に突っ込むのも大変でした。ブラケットは太くできないので、場所に余裕がない。かといってブラケットのフィット感とブレーキレバーのピボット位置は妥協できない。目指したのはシマノのDi2くらいの細さ。結局、Di2ほど細くはできなくて、ちょっと太らせたんですが、指が回るところだけは細くしたので、握ると太いとは感じられないと思います。「どんな変速機でも使えますよー」っていう機能面は導入時には大切ですが、一度自転車に取り付けて動き始めれば、持ったときのフィット感や使い心地の方が大事になります。使い心地がダメだと、自転車との一体感も落ちるのでこだわりました。何度もNGと作り直しで、杉山君の疲弊度は増々上がったと思います。その甲斐あって、非常にいいブラケット形状になりました。私的には大好きを通り越して愛してます(笑)。

――確かに全く太いとは感じられません。むしろDi2よりフィット感がいい。

Kimura:フリクション機構、ワンウェイクラッチ、独自クラッチ×2、プーリー、インデックスシステムなど積むものがたくさんあるので軸長も伸びたんですが、できるだけ詰め込んで縮めました。その軸を支えるベアリングにも一工夫あります。ベアリングをブラケットに単に圧入するのではなく、若干フロートさせるように固定してあって、軸が指の力で歪んでもスムーズに動くようになってます。そういえばバンドも難しかった。

――レバーをハンドルに固定するバンドですか?

Kimura:そう。これ、簡単に作れそうに見えるじゃないですか。金属丸めて穴空けるだけだし。でも実際に作ろうとすると全然ダメ。最初はステンレスで作ったんですが、伸びて固定力が出ない。板厚変えていろいろやってみたんですが、どうもうまくいかない。コストもそれほどかけられないですし。そんなとき、昔固定バンドを作っていた工場さんと知り合いになれたんです。これが運命の出会いでした。材料・曲げ方・焼き入れのレシピなどのノウハウを教えてもらって、なんとか作りました。

――こんなもの……と言ったら失礼ですが、シンプルに見えて奥が深いんですね。

Kimura:素材が伸びなさ過ぎても割れるし、伸びすぎると止まらない。いい塩梅があるんですね。作れるメーカーさんあんまりないんじゃないかな。

――フリクションレバーとして使えることも特徴ですが、インデックスプレートというパーツを入れることで、一般的なシフトレバー同様にカチッカチッとしたクリック感を加えることも可能ですね。

Kimura:インデックスプレートを使用した際のクリック感にもこだわりました。2枚の板ばねで2つの小さなボールを押し付けるように配置してあります。インデックスプレートの穴をこのボールが通過することでカチッというクリック感を出してます。最初は板ばね1枚・ボール1個で作ってみたんですが、いいフィーリングにならないんですね。このシフトフィールの追求も大変でした。

――レバーとブラケットの素材は?

Kimura:どちらも樹脂ですね。オール樹脂のレバーは珍しいと思います。この素材を選ぶのもかなり苦労しました。金属代替プラスチック(短繊維のカーボンがどっさり入ったエンジニアリングプラスチック)なんですが、これを使わない限り軽くできない。EQUALコントロールレバーは軽さも重視してますから。当初の目標は「機械式デュラより軽く」でした。実際はそこまではできませんでしたが、機械式アルテよりは軽くなりました。ブラケットも大変だったんですよ。ゴム製品なんて世の中に溢れてるから、安いもんだと思うじゃないですか。でも形状が複雑なゴムって量産が大変なんです。シマノはおそらくコストを抑えるためにエラストマー(樹脂)で射出成型してます。EQUALコントロールレバーのブラケットはゴム製で複雑形状なので、射出成型のようにパコパコ作れない。かなりコストがかかってます。おそらくEQUALコントロールレバーのブラケットの原価はシマノのブラケットの店頭価格くらい(笑)。そのかわり、ゴムなので水に強いし500%も伸びるので耐久性は高いですよ。これも作ってくれる工場を探すのが大変でした。

EQUALコンセプト実現のために

――相当な難産だったようですね。

Kimura:もう全部苦労ですね。コントロールレバーを作るのはほんとに大変です。もう本当に。
開発費で1億くらいかかってしまいました。

――1億……!?正直言って飛ぶように売れるような製品ではないと思いますが、回収できるんでしょうか。

Kimura:回収するという概念はうちにはないので(笑)。作ったときに会社が潰れてなければそれでいい。売れなかったらなかったことにすればいい。

――社長。それでいいんですか。

Kimura:借金して無理して作って売れなかったら借金返せなくて潰れちゃうから困るけど、作った段階でその製品に対する負債がなくて、会社が潰れなければOKです。それより、新しい価値観を世に問うほうが面白いし、意義がある。EQUALコントロールレバーを求めている人は絶対いるので、細々と長く売れていけばいいです。それに、チャレンジは社内の活気にも繋がるし、人も育ち、ノウハウも貯まります。そして、次のチャレンジに繋がる。そういう意味では、もう1憶円の回収は出来てるかもですね(笑)

――クランクやチェーンリングなど、他のパーツは作っているメーカーがたくさんあります。レバーも、シマノを模倣した機械式や電動ならサードパーティーが存在します。しかし完全オリジナル機構の機械式シフトレバーはほとんどありません。しかも無段階シフトというハードルもある。最初から困難なプロジェクトだと分かっていたのでは?

Kimura:それはもう。お手本になるものがないゼロスタートでしたから。でも、このレバーがないとEQUALコンセプトが完成しないので、もう絶対作ろうと。これはEQUALコンセプト実現のためには絶対必要なプロダクトであって、ほとんど目的に近いものです。開発に時間はかかりましたが、よくできたと思います。複雑で繊細な設計も多いですが、出来上がってみると結構タフになりました。部品位置とか構成はこれがベストでしょう。

――いよいよ完成したわけですが、このEQUALコントロールレバーはどういうユーザーにどう楽しんでほしいですか?

Kimura:まず、シマノとかスラムで不満がない人や、油圧&電動で満足してる人には必要ないと思います。そういう人が無理矢理これを使う必要はない。リムブレーキを使っていて、これからどうしよう?って思ってる人、昔のパーツに思入れがある人、今の最新コンポにストレスを抱えてる人などに使ってほしいですね。どんなディレーラーでも使えるので、サポート切れでレバーの修理ができなくなった人にもいいと思います。……という想定はしてるんですが、実際にどういう人がどういう目的で買っていただけるのは、正直読めてません。EQUALコントロールレバーの存在自体が理解できない人も多いでしょう。だから急には売れないと思ってます。

――今まで存在しなかった種類のパーツなだけに、理解されるまで時間を要するかもしれませんね。

Kimura:そう。EQUALペダルもそうなんですが、世界で初めてのものなので、受け入れられるかが読めない。どれだけ売れるのか分からない。ということは生産計画が立てられない。(笑)

――EQUALコントロールレバーは「なんでもできる自由すぎるレバー」だけに、「どう使っていいのか分からない」という人もいると思います。

Kimura:選択肢を用意しすぎるとよくないという研究結果もありますよね(=ジャムの法則)。100種類のものを並べられるとどれを選んでいいのか分からなくなって購買意欲が削がれてしまう。3種類にすれば選ぶのは簡単で買いやすくなる。それは事実かもしれません。でもスポーツバイクは趣味なんだから、選択肢がたくさんあってもいいじゃないですか。悩む時間も楽しめますよ(笑)
ぶっちゃけ、シマノさんのレバーを丸パクりして1速足して「機械式12速対応ですよ!」としたほうが作るの簡単だし売れたと思います。でも、このEQUALコントロールレバーを使うことで、「こういうことしてもいいんだ」「こういう楽しみ方もあるんだ」ってことに気付いてほしいです。「自転車はもっと自由で楽しい乗り物なんだ」と思ってもらえたら、もう最高です。

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